【イベント】運営に関するリスク・マネジメント
2013.01.30
●F1日本GPと富士山マラソン
富士スピードウェイで2007年に開かれたF1日本グランプリをめぐり、「運営トラブルがあった」として67人の観客が主催者に対して多額の損害賠償を求めるという訴訟について、先日(1月24日)、東京地裁は富士スピードウェイに約80万円の支払いを命じる判決を下しました。
トラブルの発端は、富士スピードウェイがサーキット周辺の混雑を懸念し、会場への出入りをシャトルバスに限定したため、雨による道路の陥没、ぬかるみなどでバスが大幅に遅れ、一部の観客が長時間待たされたり、スタート時間に間に合わなかったりしたことでした。
判決では、「主催者に期待される調査、管理を怠った結果」と指摘し、レースから6年半を経てようやく賠償命令が出たわけです。
一方、昨年11月に「河口湖日刊スポーツマラソン」から「富士山マラソン」に名称を変更して開催された第1回大会において、会場周辺の交通渋滞により、多くの参加ランナーがスタートに間に合わないという事態が起こりました。
当初は、「来年度大会の優先出場権を用意する」としていましたが、結局、参加費の返還、そして、来年度開催に向けて関係機関との検証をするという措置をとっています。
●想定外を極力減らそう
F1も富士山マラソンも、主催者側は事前にシュミレーションをしていたことと思います。
とはいえ、「今回は想定外な出来事だから仕方がない」は言い訳になりません。
観戦料やマラソンエントリー費をいただいて運営しているプロであれば、なおさらのことです。
想定外を減らすには、事前に現地に足を運んで検証、調査、シュミレーションをするのが一番です。
そのうえで、トラブルが起きた場合のマニュアルを備えておき、スタッフで共有することをおすすめします。
今回のようなトラブル以外にも、病気・ケガ、迷子、暑さ・寒さ対策、台風、地震、津波、雪などのリスク対策も必要です。
●発生したトラブルを最小限に
トラブル対応マニュアルを備えておけば、いざ、事が起こってしまったときに素早く対応できますし、慌てなくて済みます。
ところが、その対応が統一されておらず、対応策も二転三転するわ、後手後手にまわってしまうわだと、トラブルがさらに大きくなったり、飛び火して別のトラブルが起こる可能性もあります。
F1や富士山マラソンのような大規模イベントに限らず、練習会やスポーツ教室でもリスク・マネジメントに心がけるようしてください。
スポーツ教室やイベントに関するリスク・マネジメントのご相談では、安全配慮のポイントやトラブル対応マニュアルの作成など行っています。
参考サイト