【イベント】安全に配慮する義務??
2012.07.26
●スポーツ指導者が配慮すべきこと
たとえばランニング教室であれば、練習会実施時に指導者は「事故やケガが起きないように安全に配慮する義務」=「安全配慮義務」があります。
練習会に参加したランナーが、いっしょに練習していたランナーとぶつかってケガを負ったとします。その場合、主宰者(指導者)の安全配慮義務がなされていなければ、主宰者側の責任が問われます。また、対応も不適切であれば、その主宰者(ランニングクラブ)への信頼がなくなるでしょうし、ランニングそのものから遠ざかってしまうこともあるでしょう。
以下のことを守って、事故やケガに対するリスクマネジメントに備えましょう。
●事前に説明すること―説明責任
主宰者(指導者)はランニングクラブへの入会、あるいはランニング教室への参加のお申込みの際にルールや規約、守ってほしい注意事項をきちんと説明する必要があります。特に、中止になった場合のキャンセル料はどうなるとか、ケガをした場合はどのように対処するなど、参加者にとって不利益となるような事柄は明確にしておきましょう。
その際、ルールや規約、注意事項を書面化して手渡したり、ホームページに掲載するなど、だれもがわかるようにしておくことが大切です。
●実施プランを考える
参加者の人数、レベル、練習内容、雨天時の対応など事故やケガのないよう、無理のないプランをたてます。
ランニング練習会であれば、レベル別の練習会なのか、初心者もサブスリーのランナーもいっしょに練習するのかによって、練習内容は変わってきます。また、皇居周辺でしたら、参加人数によっては許可が必要ですし、女性の参加者が多ければ、着替えやシャワーの施設も確認しておいたほうがよいでしょう。
●危機管理対応マニュアルの作成
トラブルに備えてマニュアルを作成しておきましょう。
擦り傷などの軽度から心肺停止のような重度の事故まで程度によって対応が異なりますので、事前に統一したマニュアルを作成して関係する全員が周知するようにします。
●危険かなと思ったら
活動中に危険かなと思うことがあったら、その危険を取り除くなり、避けなければなりません。
参加者が風邪気味だったり、もともと持病があるのであれば、様子をみながら対応する必要があります。
また、熱中症の危険があれば、練習時間を工夫する、給水時間を多く取るなどが考えられます。
天候によっては、やむを得ず中止という判断もあるでしょう。中止することで発生する損害よりも、まずは安全を優先することが大切です。
●スポーツ用具を使う場合
用具といってもボールやサッカーゴール、トレッドミルなど多種多様にありますが、壊れていたり、年数が経っていると安全に使用できない場合がありますので、日々の点検が不可欠です。
また、参加者には正しい使い方を説明することで危険回避にもなります。
●実施場所は安全?
グラウンド、体育館、河川敷、公共の道路、野球場など実施場所によって危険なポイントが異なります。
グラウンドにへこんでいるような場所はないか、体育館の床が傷んでいないかなど事前にチェックし、始める前に注意喚起するなり、その場所は回避する、修理するなどの対処をしましょう。
●万が一の保険
保険には主に傷害保険と賠償責任保険があります。
傷害保険は運動中に事故やケガをした場合に、その治療費にあてるお見舞い的な内容です。
賠償責任保険は、主宰者(スポーツ団体)が故意(わざと)または過失(うっかり)により参加者や第三者に損害を与えた場合に金銭的な賠償をカバーするものです。
※皇居ランニングのマナーについては、千代田区観光協会をご参照