【NPO法人】理事の報酬や保険はどうなる?
2012.09.02
●そもそも理事とは?
理事は、NPO法人の代表機関であり、対内的にはNPO法人のミッションに沿って、定款や社員総会の決議のもと事務を執行するのがお仕事です。
営利企業(株式会社など)における取締役にあたります。
また、理事は、社員や職員を兼ねることができます。
●理事報酬と給与の違い
理事の報酬は、NPO法人内での職責に対して支払われます。
つまり、労働をしたことに対して支払うのではないので、労働者に対する労働の対価としての給与とは異なるものです。
理事報酬は、社員総会または理事会によって、職務の責任の度合いや業績から決められます。
ちなみに、理事報酬は法律により「全理事(監事含む)の人数の3分の1に当たる人」にしか支払うことはできません。
4人の役員がいれば、1人は理事報酬を受け取れますが、残りの3人は受け取ることができません。
しかしながら、これは理事としての報酬なので、理事であっても、事務局職員としてお仕事をしたり、スタッフとして活動しているのであれば、その分は「職員給料」として支払うことができます。
●理事は労災保険に加入できるの?
原則では、理事は労働者ではないので、労働法が適用されず、また労働保険(労災保険・雇用保険)の対象ではありません。
労災保険は、労働者がお仕事中に、あるいは通勤途中にケガや病気に見舞われたときに、労働者や遺族に対して療養の給付や休業給付、遺族年金の給付を行う制度です。
NPO法人として、1人でも労働者を雇用したら加入しなければなりません。
NPO法人の理事の場合は、労災保険の特別加入制度により適用が可能です。
ただし、(1)労災保険に加入していること、(2)労働保険事務組合に委託しているなどの条件があります。
●理事の雇用保険は?
雇用保険は、労働者が失業した時に失業給付などを行って、その生活の安定を図ることを主な目的としています。
基本的には、雇用保険の被保険者となるのはNPOの職員がその団体と雇用契約関係にある場合ですが、理事であっても同時に職員としての身分を併せもっており、労働者的性格が強いときには雇用保険に加入できます。
理事が雇用保険の被保険者になるためには、最寄のハローワークに「兼務役員雇用実態証明書」を提出して、認めてもらう必要があります。